シンガポール在住「マーライオンチーム」のコラボ企画。
今回は、スパイスをキーワードに
ランの歴史とアレンジメントをご紹介します
ランとスパイスは、大航海時代に
同じようなルートでヨーロッパへもたらされました。
熱帯のラン(洋ラン)が初めてイギリスに伝えられたのは1731年。
東南アジアからヨーロッパへ
スパイスや農作物が運ばれたように、
ランをはじめ多くの植物もヨーロッパへ集められていきました。
ヨーロッパ列強国や大資産家たちは、
国の威信のため、権力・財力の象徴のため、莫大な費用をかけて、
世界の植物を集めるという時代です。
ヨーロッパ自生のランは、
どちらかというと地味な花だったということで、
大型で華やかな熱帯のランは、
東洋への憧れと重なり、
当時の上流階級の人達の間でたいへんな人気だったようです。
シンガポールとランについて歴史を少々
シンガポールはというと、
1819年、東インド会社のラッフルズ卿が上陸した頃、
約200種類もの原種のランがあったと記録されています。
ラッフルズ卿も、植物の研究に熱心で、
シンガポールという未開の地の開拓を進め、
1822年「Botanical and Experimental Garden」を設立します。
グローブ、ナツメグ、ペッパー、サトウキビ、コーヒー、
お茶などを栽培する「スパイス・ガーデン」を作って、
植物の研究、栽培に取り組んでいました。
その後、このガーデンは閉鎖されますが、
30年後の1859年に、
現在の「シンガポール・ボタニック・ガーデン」が設立されました。
http://www.sbg.org.sg/
当時から園内にはランも栽培され、
1928年には植物園でランの繁殖計画が始まり、
多くの優れた交配種が生み出されました。
1960年代以降は、新しい繁殖法の発見により、
シンガポールの切り花産業が発展しました。
シンガポールはランの国。ランは国花であり、
ラン切花の輸出は世界市場の約15%を占めるとのこと。
ホテルやレストランには、
ランをいっぱい使ったデコレーションを良く目にします。
ナショナル・オーキッド・ガーデンには
南国ならではの多様なランが栽培され、展示されています。
そもそもランは熱帯だけでなく、
地球上のあらゆる地域に生息しています。
その数は世界中で2万5千種以上。
ランはあらゆる植物の中で最も種類が多く、
すべての植物の中の約1割に相当するといわれています。
(以上、参考:シンガポール日本人会「 南十字星」より)
今回は、スパシーカラーのランを選んで、
インドの熱い街並みをイメージしたアレンジをしてみました。
使ったランをご紹介します。
色とりどりにミックスして、ガラスの器に。
ガラスの器は透明感がでますので、
派手な色合いの花でも、涼しそうな雰囲気になります。
シナモン色のアクセントのある器をみつけました。
大小の二つの器にアレンジ。
軽やかな印象になります。
シンガポールへご旅行の際には、
ぜひ「シンガポール・ボタニック・ガーデン」、
その中の、ナショナル・オーキッド・ガーデンに
足を運ばれてみては如何でしょうか。
熱帯植物の楽園を満喫できます!
フラワー&フォトスタイリスト 海野美規
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