Team Klastylingのメンバーを紹介するインタビュー企画。
トップバッターの祐天寺さんの第2回です。
祐天寺さんの作品のバックグラウンドを伺いました。



インタビュー祐天寺さん

——ご自分のテイスト、得意なジャンルというのはありますか?

自分のテイストはこれ、と意識したことはないですが、自然とカジュアルになりますね。エレガントよりもブロカントとか古びたようなものが好きです。スタイリングをしていても、そういったテイストのほうが作りやすいです。

一度、お友達に撮影会に誘っていただいて、ウエディングの撮影をしたことがありますが、そのとき「この手のものは苦手なんだ」ということがよくわかって(笑)。エレガントやフォーマルなものは、「こういう生活ができたらいいな~」という憧れはありますが、苦手だと思います。

色は……、ブルーが自分の色だと思います。
フォトスタイリングを始めて、「何かをつかんだ」と変わるきっかけになった作品があって、それが、2009年11月の作品の、ブルーで統一したクリスマスのパーティシーンなんです。

インタビュー祐天寺さん

2009年11月の作品。



その年の5月にフォトスタイリングを学び始めたのですが、毎月、作品を提出しても何度も直しが入って、完成させることができないまま次の作品、また次、というのが続いていたんですね。ちょっと壁にあたっていて……。

この11月の作品は一日で撮ったわけではなく、パーツ、パーツで少しずつ撮影して、自分の中でいちばん日にちをかけた作品だったんですね。そしたら、窪田先生が、この作品をブログで紹介してくださった。

1回でイメージがぱっと固まって、いい作品ができる方もいらっしゃると思いますが、このとき学んだのが、「時間をじっくりかけてやっていくことが大切なのかな」ということ。何かをつかんだように思います。

——こういうネタは得意、というのはありますか?

時間をかけていいのならば、手作りかな。ちょこちょこっとものをつくることが、すっごく好きなんです。「職人」と言われるくらい(笑)、思うようなものが出来上がるまでずーっと集中して作ります。作品づくりは主に夜ですね。

試作から始めるのですが、記事としては簡単につくれるように提案をしたいので、作り方の試行錯誤をします。実は、簡単な作り方を見つけるまでに結構、時間をかけています。

インタビュー祐天寺さん

 


インタビュー祐天寺さん

アスティエ風の皿の作品




夜な夜なずっと作ったのは、紙粘土でつくったお皿です。アスティエ・ド・ヴィラッドのようなデザインのお皿を作ったことがあって、「どんだけ試作したか?」というくらい(笑)、何度も試作しました。

蛇腹折りの紙をつかった作品のときも、イメージしていたギンガムチェックの紙がなくて、布をカラーコピーして紙をつくるところからになりましたね。幸い、仕事場にはたくさん紙がありますから、そこで材料づくりをすることもあります(笑)。

時間はかかりますけど、ものを作っている時間は楽しいです。
もちろん、いろいろ試作したけれど写真に撮ってみたらかわいくなくて、ボツになったものもあります。

たとえば、ペーパーナプキンで紙風船もどきをつくろうと思ったときは、作ることはできたんですが、しわしわになりすぎて、これはダメだな~と(笑)。愛犬バスターとしばらく遊んで、ボツにしました。

インタビュー祐天寺さん

作り方は、子どものころに遊びで工作したときのことを思い出して考えることが多いです。2012年のハロウィンのときの、木工用ボンドでつくるシールもそう。私はみんな知っていることだと思っていたんですが、アイディアを出したら「へぇ~」という反応だったので作ってみました。

あのシールは、高校生のとき仮装用につくった漫画『まことちゃん』の“青っ洟”が元ですね(笑)。そのときは、せっかく作った青っ洟を家に忘れて、本番でつけることができなかったんですけどね~。

家でも、家族の前でなにか面白いことをやって、笑わせるのが好きな子どもでした。

インタビュー祐天寺さんインタビュー祐天寺さん
インタビュー祐天寺さん

ハロウィンのシールの作品




                                     (つづく)



取材・文:藤岡信代
撮影:百井謙子
Teardrops220〜Photo Life〜