カルトナージュの作品に、「唐長」の唐紙(からかみ)を使って以来、
私は、唐紙の繊細な色合い、美しい文様に惹かれています。

「チーム関西」で和モダンなテーブルを提案するにあたり、
ぜひ唐長の唐紙を使いたいと思い、唐紙制作工房「唐長」を訪れました。

和モダンなテーブル企画は、こちら↓
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400年続く唐紙制作工房「唐長」を訪ねて

 




京都の洛北、修学院離宮の近くの閑静な住宅街に「唐長」の工房があります。
創業寛永元年(1624年)、京都に残ったたった1軒の唐紙の老舗です。
「唐長」十一代当主 千田堅吉氏、郁子夫人にお話を伺ってまいりました。




400年続く唐紙制作工房「唐長」を訪ねて


唐長の文様をつける道具「板木」を所蔵する蔵の内部には
江戸時代から伝わる板木がおよそ650枚あります。




唐長の板木は朴の木がほとんどで、柔らかい材質で彫りやすく 長年の使用で摩減しても常に平らな面であるのが特徴です。

唐長の板木は朴の木がほとんどで、柔らかい材質で彫りやすく
長年の使用で摩減しても常に平らな面であるのが特徴です。









400年続く唐紙制作工房「唐長」を訪ねて

 



唐紙には、白地に雲母(きら)を押した伝統的な無地感覚のものと 色唐紙と言われる、 紙の下地色と文様の色との組み合わせで文様を際立たせるもの の二通りがあります。

唐紙には、白地に雲母(きら)を押した伝統的な無地感覚のものと
色唐紙と言われる、
紙の下地色と文様の色との組み合わせで文様を際立たせるもの
の二通りがあります。




400年続く唐紙制作工房「唐長」を訪ねて

 



色は、青赤黄の三原色を配合します。
絵具は昔ながらの泥絵の具を使用し、長年の勘が頼りなんだそう。
唐長の色は、雲の色、草木、土の色など
思わず目をとめた自然の色がお手本となっていて 
当主の感性がうかがえます。

作り方は、板木の上にふるいで絵具をのせ、
和紙に手を添えて文様を写し取るという
江戸時代から何百年も変わらない技法です。
そこで微妙な風合いと、はんなりさを出すことができるのです。

400年続く唐紙制作工房「唐長」を訪ねて

 



400年続く唐紙制作工房「唐長」を訪ねて

 



400年続く唐紙制作工房「唐長」を訪ねて

 



400年続く唐紙制作工房「唐長」を訪ねて

 



        



唐長の唐紙は桂離宮、二条城といった文化財の復元にも使用されていますが
現在、主な用途は襖、壁などのインテリアです。
ランチョンマット、クッション、バッグ、カーペットなどの
数年使えるように加工を施し、
工夫した商品もてがけていらっしゃいます。

「弱点をカバーし、使えば使うほど味が出るよう工夫した商品を作っていきたい。唐紙で作れないものはない」と当主はおっしゃいます。


400年続く唐紙制作工房「唐長」を訪ねて



目の行き届いた良いものが作れるようにじっくりとお話を聞き
その人に合った唐紙を提供するスタイルは、今も昔も変わりません。
より多くの人に唐紙と触れる機会を、
ということで三条両替町サロンをオープンされました。

400年続く唐紙制作工房「唐長」を訪ねて

 


400年続く唐紙制作工房「唐長」を訪ねて

 

 


今の洋風な暮らしにも全く違和感なく、
現代感覚に合った使い方も提案されています。
どんな使い方にしても光の陰影が大事で 唐紙には間接照明が似合うのです。

400年続く唐紙制作工房「唐長」を訪ねて

 




400年続く唐紙制作工房「唐長」を訪ねて     


400年続く唐紙制作工房「唐長」を訪ねて

 



唐長の次世代として、
3人のお子様がそれぞれ個性を発揮して活躍されています。
お二人は美意識を高めるために勉強する空間、
「唐長美術館」の設立という大きな夢をお持ちです。
これからもさらに唐長の魂は光り輝くことと信じています。



今回の取材で当主、夫人お二人の絆を強く感じました。 そして ものづくりの姿勢と京の美的感覚を 柔らかいお言葉でじっくりお話いただき、 私もものづくりの端くれとして考えさせられたのです。

今回の取材で当主、夫人お二人の絆を強く感じました。
そして ものづくりの姿勢と京の美的感覚を
柔らかいお言葉でじっくりお話いただき、
私もものづくりの端くれとして考えさせられたのです。







参考にした本
「京都 唐紙屋長右衛門の手仕事」千田堅吉(NHK出版)

唐長URL:http://www.karacho.co.jp
唐長三条両替町URL:http://www.karacho-sanjo.org











撮影 辻本真奈美
いこママの 写真・フォトスタイリング・パン日記

取材・文 松本 真寿美
大阪・神戸シルクフラワー&カルトナージュサロン エレガントプレイス主宰