フォトスタイリスト ササキトモコです。
今年のトレンドキャッチとして
春夏は“花柄が流行る”という言葉をよく見かけます。
昨年は、小花柄のパンツが大流行(?)し
多くの人が花柄パンツに挑戦していたように思います。
そして、今年はボタニカル柄に注目、とも言われています。

ボタニカルとは英語で「植物の」「植物学的な」という意味。
検索をすると、一緒にボタニカルアートの画像が多く出てきます。
ボタニカルアートとは、
古代エジプトで、薬草を見分ける図鑑として記述したのが始まりとも言われる
精巧な植物絵画のこと。
以前、ボタニカルアーティストとして第一線で活躍されている
オーストラリア在住のジェニー・フィリップスさんを取材したことがあります。
独学で描いていた絵が、オリエントエクスプレスのオーナー夫人に見初められたのをきかっけに、世界各国を飛び回り、絵の講師をしているマダムです。
http://www.jennyphillips.org/index.php
キレイな花を描くだけでなく、蕾や虫食いの葉っぱ、
花の朽ちていく姿までを
複数枚にわたって描いている作品が、とても多くありました。
「美しい姿は一片だけではなく、花の人生を通して人の生き方さえ感じられる」と
話していたのが印象的でした。

これから、ますます街中を明るくしてくれる花柄ファッション。
特に今年は、ボタニカル・枝や茎、葉などまで描かれているものにも注目です。
実際のボタニカルアートとは違って
ファッションでは“大振りな花柄”というのも、もうひとつのキーワード。
昆虫など虫のモチーフやトロピカル柄も気になっています。
生命力あふれるプリント柄が目新しく感じるようになりそうです。
このワンピースを見かけたときに
気さくなジェニーさんの笑顔がよみがえり、
ふだん着ないシルエットのワンピースに、手が伸びてしまいました。
この春は、エネルギーあふれるモチーフを身にまといながら
お出かけ&パワーチャージもいいな~と思っています。
撮影: 南都礼子
スタイリング&文: ササキトモコ