まだ記憶に新しい2013年の「風疹の大流行」。
その大流行した春から夏に掛けて感染した妊婦が出産を迎え、「先天性風疹症候群(CRS)」と診断された赤ちゃんが相次いで報告されています。
「先天性風疹症候群(CRS)」とは、妊娠初期(特に妊娠20週未満)の女性が風疹ウイルスに感染すると、赤ちゃんの目や耳、心臓などに障害が出ることです。
風疹の流行は、春先から初夏に掛けて多くみられるということですが、私たちは、大切な赤ちゃんを守るためにどうしたらよいのでしょうか。
今回取材にご協力いただいたのは、
山形県寒河江市のすまいるレディースクリニック
医院長 細田香苗 医師です。
風疹についてお伺いしました。
Q:風疹を防ぐためにはどうしたらよいのでしょうか?
確実な予防方法は、「ワクチン接種」を受けることです。
これから赤ちゃんを望まれるご夫婦やご家族は特に。
Q:妊娠中でもワクチン接種を受けることはできますか?
妊娠中は、ワクチン接種を受けることはできません。
風疹ワクチンは毒性を弱めた「生ワクチン」のため、お腹の赤ちゃんへの影響を考えて、ワクチン接種後、できれば3ヶ月は妊娠を避けた方がよいです。
接種後すぐに妊娠がわかった場合は、まず専門の医療機関に相談してみましょう。
Q:過去にワクチン接種を受けたどうかわからない場合は、どうしたらよいでしょうか?
血液検査で、「風疹の抗体」があるかどうかで判断できます。
過去の記憶はあいまいなことが多いので、検査を受けた方が正確に判断できます。
また、自治体によっては検査費用の助成を行っている所もあるので、該当機関に問い合わせてみてもよいでしょう。
Q:男性もワクチン接種は必要でしょうか?
男性もワクチン接種は必要。
風疹発症者の大部分は、「20代~40代の男性」です。
「風疹ワクチンの予防接種状況」を見てもわかるとおり、年齢・男女差によってワクチンの接種状況が異なります。
また、「集団接種」から「個別接種」になったことで、親が医療機関へ連れて行かなければ、ワクチン接種を受けることができず、接種率が大幅に下がったことも影響しています。
「子供を病気から守るため予防接種を受けされることは、親の大切な役目です」
細田医師は、話の最後にこう付け加えました。
予防接種を受けることで、病気から身を守り、また軽症で済むのは間違いのない事実です。
「厚生労働省が2020年東京オリンピックまでに風疹の封じ込めを目標にした指針案を発表」というニュースも流れました。
2014年の今年、麻疹(はしか)の流行も懸念されています。
現在は風疹麻疹の混合ワクチンのため、予防接種を受けることで2つの病気の予防につながります。
For the future~これ以上感染を広げないために、そして赤ちゃんの未来を守るため私たちができることは、そう!予防接種を受けることです。
最後に、お忙しいところ取材・撮影にご協力いただいた細田香苗医師に感謝申し上げます。
取材・撮影協力:
すまいるレディースクリニック
HP http://www.smile-lc.jp/pc/
TEL:0237−86−3215
風疹関連サイト:
・NHK NEWS WEB ストップ風疹~赤ちゃんを守れ~
・国立感染症研究所 風疹Q&A(2012年改訂)
・【ストップ風疹】妊娠を考えるなら、早めの予防接種を ゼクシィnet
・風疹封じ込め「東京五輪までに」厚労省委員会が指針案 産経ニュース 2014年1月22日配信
文・撮影&フォトスタイリング
Teiko Nozaki
Herb & Aromatherapy Lab Herb専科 葉月
Herb専科 葉月のFour Seasons Diary