紅花商人が残した時代雛めぐり


東北で唯一、
チームKlasatylingのメンバーとして活動している
地元大好き♡フォトスタイリストのTeiko Nozakiです^^

3月に入り少しずつ雪が融けだし、
東北にも待ち焦がれた
遅い春が巡ってきました。

ここ山形では、
その雪解けとともに4月初旬頃まで
豪華絢爛な雛人形が飾られ、春の風物詩となっています。

紅花商人が残した時代雛めぐり

[い]施設内のCafeには当時を偲ばせる大きな柱時計が
[ろ]座敷蔵の漆喰の扉には、家紋の装飾がそれとなく施され
[は]マルタニ長谷川家を表している瓦の飾り
[に]呉服屋をしていた当時の蛇の目傘





山形県内には、
紅花で財を成した各地の旧家に
当時の繁栄ぶりを物語るお雛様が数多く残されており、
季節になると一般公開されています。

ほんの一部ですが、
貴重な時代雛をご紹介したいと思います^^

時代雛とは、
一般的に古い時代の雛人形のことで、
その時代時代によって作風が異なります。

代表的なものに、
江戸時代の享保雛や古今雛、次郎左衛門雛などが挙げられます。

紅花商人が残した時代雛めぐり

親王雛 明治後期~大正期
マルタニ長谷川家所蔵



今回取材で訪れた、マルタニ長谷川家は、
山形市中心部にある江戸時代より続く旧家で、
現在、山形まるごと館 紅の蔵[1]として、
当時のレトロな雰囲気を味わえる
人気の観光スポットとなっています。


この時代雛は、紅花の取引のため上方へ渡った際、
持ち帰ったものだそう。

頭飾りには、珊瑚などを用い、
また、生地の細工も大変手が込んでおり、
京都などからもたらされた
上方文化を垣間見ることができる貴重な作品です。

紅花商人が残した時代雛めぐり

古風七楽人 江戸時代後期
マルタニ長谷川家所蔵



琴、横笛、縦笛、火焔太鼓、笙、琵琶、羯鼓(かっこ)の
楽器をそれぞれ奏でている楽人で、
七体に損傷がほとんどなく、
着物もこれほどきれいな状態で残っているのは
大変珍しいそう。

一体一体の表情が豊かなのも
見ていて楽しいです。

紅花商人が残した時代雛めぐり

享保雛(きょうほびな) 江戸中期
マニタニ長谷川家所蔵





ガラスケースに収められた享保雛、
台座を含めると40cmほどになります。

作られた当時、贅沢を禁じられ、
雛の寸法は八寸(約24cm)までという
お触れだったのを、
肩の高さまでを八寸とし、
少しでも豪華に見えるよう、
頭部や頭飾りが大きく作られたという
おもしろい伝承が残っています。

紅花染めの高価な生地が非常に贅沢に使われており、
未だ、その色を留めているのは
保管状態が非常に良かったためだとか。


紅花商人が残した時代雛めぐり紅花商人が残した時代雛めぐり





紅の原料となる紅花の加工品はとても高価で、
その価値は「金の十倍」と
言われていた時代もありました[2]。

江戸時代、最上川舟運と北前船によって
巨万の富を築いた紅花商人たちは
戻り舟によって、華やかな上方文化を
山形に持ち込んだと言われています。

その一つが、豪華絢爛な時代雛。

近年は、このお雛様を目当てに
山形県を訪れる観光客も年々増えており、
各地を見て回るのが人気のようです。

山形まるごと館 紅の蔵では56体の時代雛を展示。

時代も、作風も、顔だちも異なる
個性的なお雛様が迎えてくれます。

山形市周辺地域だけでも45ヶ所で時代雛に関するイベントを開催。

この時期ならではの早春の山形路を、
当時に思いをはせながら
散策してみるのも楽しいものです。

紅花商人が残した時代雛めぐり


イベント案内のパンフレットが
山形県内の観光施設や駅などにあるので、
参考にするととても便利ですよ。

山形県内のお雛様は月遅れのため
3月~4月初旬にかけてご覧いただけます^^

最後に取材・撮影にご協力いただいた
山形まるごと館 紅の蔵のスタッフの皆様に
感謝申し上げます。

 

取材・撮影協力

[1]山形まるごと館 紅の蔵
  山形県山形市十日町2-1-8
  TEL 023-679-5101
  http://www.beninokura.com/

参考記事・関連サイト

[2]Teiko Nozaki
   女性の健康美をサポート!紅花で作る和漢ハーブ酒
   http://klastyling.com/2014/08/13733/

 ・やまがたの雛 山形県観光情報ポータル やまがたへの旅
  http://yamagatakanko.com/log/?l=272243


 

Photostyling & Photographs by
Teiko Nozaki
Herb & Aromatherapy Lab Herb専科 葉月
Herb専科 葉月のFour Seasons Diary