12年ぶりに来日された「デザイナーズギルド」の
クリエイティブディレクター、トリシア・ギルドさん。
本国のイギリスのみならず、世界中にファンがいる
素晴らしいクリエイターです。
フォトスタイリスト窪田千紘がインタビューするシリーズの最終回は
新しいコレクションについてと、日本の住宅に取り入れるヒントを
教えていただきました。
――いま関心を持っている国や文化はどちらですか?(編集担当)
仕事の取引もあるので、インドにはよく行きますね。
美しいテキスタイルや、伝統や、素晴らしい手仕事がたくさんあります。
それから、ヨーロッパへもよく行きます。
フランス、イタリア、スカンジナヴィア・・・、
インスピレーションを得るものがたくさんありますね。
特に、イタリアのルネサンスの建築物や歴史は素晴らしいと思います。
どこか1カ所を選ぶというのは、とても難しいです。
いろいろなところから影響を受けていますね。
――それだけたくさんのものを見ていらっしゃるから
飽きさせずに、世界中にファンがいらっしゃるんですね。
庭にいることも好きですし、フードマーケットにも行きますし、
食や花や自然といった、ライフスタイルをとりまくすべてのものが
自分のインスピレーションの源になっています。
ペンダントライト
ハイバックチェア(NEWPORT)
ダイニングテーブル(HAPER)
――毎回、素晴らしい花のデザインが印象に残るのですが、
花のモチーフというのは、特別なのですか?(編集担当)
花はどれも美しいですよね。ダリアも、バラも、とても美しい。
どれか一つを好き、ということはありません。
スタジオでは、花のデザインは、すべてハンドペイントしています。
手書きしたものを、いかに克明にプリントで表現するかを大事にしています。
今回の新しいコレクションでは、
イタリアのルネサンス期のフレスコ画からインスピレーションを得た
デザインを発表しました。
――新しいコレクションについて、もう少し教えてください。
こちらに展示されているのはほとんど、新しいコレクションですが、
今回のコレクションには、建築的なモチーフのものもあれば
とてもプレーンなものもあります。
カットベルベットなどの面白いテクスチャーのものもあります。
コレクションを発表するときは
ファブリックの使い方も一緒に提案するようにしています。
年に2回、コレクションを発表するたびに
たくさんの写真と映像で表現して、
インテリアファブリックスをどのように使うか、
わかりやすくお伝えしています。
※新コレクションについては、こちらのサイトをご覧ください。
3シーターソファ(QUADRO LOOSE)
――グレイッシュだったり、あせた感じの色づかいも印象的です。
この表現がいま求められていると思いますね。
今回は、ニュートラルカラー、ニュートラルグレーを
たくさん使用しています。
この大きな花柄は、使い方によっては抽象的にもなりますよ。
私は、テクスチャーや素材をミックスして表現することが好きなんです。
特にテクスチャーはとても重要ですね。
光沢のある素材も、ミックスして使います。
――日本の住宅に取り入れるときのコツはありますか?
やはり、柄と無地との合わせ方などで、
バランスをとることが大事ですね。
この花柄のような大きな柄のものは難しいと言われますが、
ラージスケールのものを小さな窓につけるのも、
とてもモダンだと思いますよ。
風景の一部を切り取って、大きくして見ているという感覚でしょうか?
ぜひ楽しんでみてください。
クレジット表記があるものは、すべてデザイナーズギルドの商品です。
家具類はすべてオーダー対応となっているため、
セレクトする生地によって価格が変わります。
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DESIGNERS GUILD
インタビュー:窪田千紘
撮影:南都礼子
構成:藤岡信代