こんにちは。
ニットカフェ千編工房のままごと師こと、ニット作家のたきせしげこです。
北欧では編み物ブームだそうです。
北欧の伝統の編み方の中でも、
人気のひとつにエストニアスパイラルという編み方があります。
長い伝統がはじきだした「6目1段」の柄で、
特に4段ごとに色を変えると
自然に編地がブロックチェックのように見える、という特徴を持っています。
エストニアというネーミングですが、北欧全域で編まれている棒針編みです。
でき上がりイメージからは想像しづらいのですが、
実は毎段のレース編みです。
毎段のレース編みは、輪編み向きですので、従ってモバ編み向きでもあります。
この、「6目1段」ですが、これ以外の目数・段数ではどうなるのか、
スパイラルの向きも途中で変えるものは見かけないので、
どちらも「変えられるだけを取り入れて」、編んでみたところ、
ペーパークラフトのような、全体ゴム編みのような、
おもしろい3Dの帽子になりました。
必要な目数をクルクル編むだけという、
モバ編み向きなことには変わりありませんので、
3通りのかぶり方とともに、ご紹介したいと思います。
完成品です。
畳んで上から見ると、こうなります。
編み方は、簡単でクルクル編むだけです。
向きが変わるのは編み目の柄だけで、
編み進む方向が変わるわけではありません。
柄のイメージを変えずに目数段数をかえることを、
編み物用語では「ゲージ調整」といいますが、
今回はそのゲージ調整を使います。
参考
輪針または4~4本針 6号
太糸(グレー 黒)
出来上がり寸法 平置きで長さ40cm 周囲56cm
140目(7目スパイラル×20回)
をかぎ針で編みつけて、その作り目をそのまま縁のできあがりに使用します。
B編み図(7目1段) 140目 57段(参考 向き変え3回)
(向き変えの調整段3段(3回分)含む)
ゲージ調整(6目1段)120目 53段(参考 向き変え2回)
(向き変えの調整段3段(3回分)含む)
・B編み図の右端メリヤスが2目になります。
ゲージ調整(5目1段)100目 2段
・B編み図の右端メリヤスが1目になります。
ゲージ調整(4目1段)80目 4段
・B編み図の右端メリヤスが1目のまま、
2目1度と掛け目(○印)の間のメリヤスが1目になります。
ここから先の減目はスパイラルの形を保つことができませんので、
通常減目 2-20-2
1-10-1
最後は短針に変えて、針に残っている10目をひきぬいて、終わりです。
かぶり方です。
1ウェイは普通にそのままかぶります。
2ウェイは長さを、クルクルとロールアップして、ブリム状に。
3ウェイは長さを半分におり返して、ノルウェーの王様帽子風に。
(北欧編みにノルウェーの王様帽子というものがあります)
3ウェイの後ろ姿は裏が見えます。
クルクル編むだけで、色々な表情に変化する、
エストニアスパイラル帽子をモバ編みしてはいかがでしょうか。