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インテリア書家 小川翔月です。

点と線でつくる手書きアートのアイデアを
お伝えしています。

「大理石風の花器の記事が衝撃でした!」

昨年秋にご紹介したセメントで作る大理石風の花器の感想を
今でもいただくことがあります^^






ほかにも自分で大理石風のアイテムが作れたらいいな~
と思ったことはありませんか?


絵が苦手な方でも、不器用さんでも大丈夫!
今回は、セメントを使わずに、
100均アイテムだけでできる大理石風のコースターの作り方をご紹介します。

使う技術は、平安時代から伝わる伝統技法の“墨流し”。
“墨流し”というのを初めて耳にした方もいらっしゃるでしょうか。
水面に、墨と油や松ヤニを交互にたらしてできる模様を紙や布に写しとる技法のことです。


この墨流し、先ほどお伝えした“本来”の方法で試してみると、
墨と油が交わらないので、幾重にも重なった渦巻き模様になるんです。
詳しくは、こちらの記事をご参考ください。




ですが、この方法だと“大理石風”とはまた違った柄が出てしまって。

いろいろやり方を変えて試してみたら、
より大理石っぽく見える方法を見つかりました^^
しかも、本来の墨流しより簡単な手順なので、おすすめです。

【準備するもの】

 
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使ったのは、紙のコースター。
100均(ダイソー)で購入しました。

 
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バット、墨汁、筆、爪楊枝、小皿(墨を入れるもの)新聞紙



作り方です。
 
まず、バットに水を数センチ入れておきます。

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水面の揺れがおさまったところで、
墨汁を含んだ筆を、水面すれすれのところにつけて墨を浮かせます。
 
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再度、墨を入れます。
黒~グレーの濃淡を出したいのですが、
淡墨を用意する必要はありません。
そのときどきの振動や、筆のひたし具合なのか、グラデーションは自然に出ました。

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爪楊枝で水面をそっとなぞったり、
ふぅ~っと息を吹きかけたりして、模様つけします。

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ここで、柄の比較をしてみましょう。
よく見ると、水→墨、墨→水で模様づけする方向で柄の出方が違うんです。
お好みで書き分けてOKです!

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白ベースの大理石風にしたい場合は、
墨が乗ってない水だけの白場を残すことが大切です。
初めに水面につける墨の位置やラインを入れる方向を調整してみてくださいね^^

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ちなみに私は、
このやり方でとった模様がいちばん大理石っぽいなと感じました。

(1) 水→墨へのラインを数回
(2) 最後に、墨→水へのラインを1回
(3)(2)でできる細めの模様を入れた白場多め



コースターを水に浸けます。

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片面すべて水面に浸したら、水から揚げます。

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全部濡れてしまっても問題ありません。
表面に返すと、綺麗なマーブル模様が吸い取れています。

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水をたくさん含んでしたたっているので、
一旦、平らな半紙や新聞紙の上で水分を吸い取ります。

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だいたい乾いてきたら、
新聞紙にはさんで乾かします。

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紙は乾くと曲がりやすいので、重しも忘れずに。

 


完成です!!

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【 大理石風にするコツ 】

1. 油や松ヤニなど墨をはじくものを使わない。
 墨流し本来のやり方では、層状の渦巻き模様をつけるために使うのですが、
“大理石風”にするには、特段必要ないと思います。
(やり直す度に容器をしっかり洗う必要もありません)。

2. 紙より先に、指を水面につけないこと。
 水面が波打った状態の柄を吸い取ってしまうので、要注意!

3. 水面に紙をつけるときは、途中で手を止めないこと。
 水だけが吸収されてしまうと、その後は墨色が入りません。


 

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真っ白で味気ない紙のコースターでも
ちょっと手をかけるだけで、ステキになります^^

墨流しでできる模様は、「水に墨(黒・苦労)を流す」という意味合いで、
縁起のよい文様と言われているようです。

そんな縁起のよいアイテム♪
本格的にコールドドリンクに移行する前に、
まとめて作っておくといいのではないでしょうか。






インテリア書家 小川翔月