PIANO SALON OTOHA主宰＆フォトスタイリストのOTOHAです。

日本とベルギーが修好通商条約を結んでから、今年で150周年を迎えます。

10月10日には、ベルギーのフィリップ国王夫妻が国賓として日本を訪れました。

親交の深い皇室との交流行事、安倍総理大臣主催の晩餐会や懇談会などの報道をご覧になられた方も多いと思います。

マチルダ王妃のファッション、素敵でしたね。

両国では、一年を通して祝150周年のイベントが数多く催されています。

ベルギー大使館HP　　　

友好150周年　デジタルパンフレット　

　

この夏、幸運にも私も在ベルギー大使館にて
新保友紀子ソプラノリサイタルにピアニストとして参加させていただきました。

ソプラノ歌手の新保友紀子さんは、

ヨーロッパのいろんな都市で研鑽を積んだ後、18年間ベルギーを中心に活躍。

数年前より日本に本拠地を移してからも彼女の歌を慕うベルギーの方々は多く、

今回のリサイタルでもたくさんのお客様が彼女の歌を聴きにいらしてくださいました。

新保友紀子HP　　

リサイタルでは、日本におけるクラシック音楽の土台を築いた大きな存在、

山田耕筰と滝廉太郎の日本歌曲らやベルギー出身の作曲家の演奏いたしました。

（在ベルギー大使館内イベント会場）

本日は、その中からベルギー出身でフランスで活躍した作曲家

セザール・フランクによる歌曲Panis Angelocus「天使の糧（パンの糧）」について

ご紹介いたします。

作曲家セザール・フランク（1822 - 1890）の生い立ちを語る上で欠かせないのが、

ステージパパだった父親の存在でしょう。

20歳を過ぎて両親と決別し、
36歳でサント･クロディルト教会のオルガニストに任命されたことが転機となって、
才能が開花したと言われています。

Panis Angelocus「天使の糧（パンの糧）」もその頃、作曲されました。

既に「3つのミサ曲」の中のひとつとして

合唱曲として作曲されていたものを「荘厳ミサ曲」を改作する際、

独唱曲として追加されました。 

歌詞は、中世の神学者、聖人のトマス・アクィナスの讃美歌

"Sacris Solemniis"の最後の2節より引用されたそうです。 

＜歌詞＞

天使の糧は人々の糧になり、

天の糧は形あるものを終わらせられる。

おお、なんという驚き、主よ食するのは、

貧しき、貧しき虐げられし僕（しもべ）。

（鎌田紳爾訳）

このMovieの写真は、この度ベルギーの旅の際、

ブリュージュの「ベギン会修道院」と アントワープ「ノートルダム大聖堂」で
撮影したものの中から選びました。

「フランダースの犬」でネロが見てみたいと熱望していた 

ルーベンスの「聖母被昇天」もあります。 

音楽は、ソプラノ新保友紀子　ピアノ馬場　睦。

フランク作曲Panis Angelocus「天使の糧（パンの糧）」をどうぞお聴きください。

 

（音割れしますので、イヤホンをご使用になっていただけると嬉しいです。）

最後にイベントの記念にいただいたカードにあったメッセージについて。

Peaple far away

But sun and stars on our flags

Belong togeter

（離れ居て、星日の旗に、集い来る）

これは、東日本大震災の翌年東京で開催された定期首脳協議で

EUの首脳の一人であるファン＝ロンパイ議長が披露されたHaiku（俳句）だそうです。

これを受けて、安倍総理は「降る星を、見上げる夜に、友来る」と即興で詠まれ、
和やかな空気が流れたそうです。

文化は国境を超えるということを体感できたベルギーへの旅でした。

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文・写真　　*OTOHA*　　

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