暮らしに役立つちょっとしたアイデアを写真やクラフトでお届けする村上由香里です。
10月4日の今夜は十五夜(中秋の名月)。この日にお月見をすることは広く知られていますが、十五夜に続いて、旧暦の13日の夜(十三夜)に、もう一度、秋の夜空に浮かぶ月を愛でる風習があるのをご存知ですか?
あるとき、十五夜と十三夜のどちらか一方しか見ないと、縁起が悪いとされる「片見月」という言葉を知りました。一度知ってしまうとやっぱり気になるもの(笑)。せっかくなので十三夜のことを調べてみました。
十三夜とは?
十三夜は名残りの月とも呼ばれ、中秋の名月からひと月遅れの、満月の2日前をいいます。中秋の名月は中国から伝わった風習ですが、十三夜は日本独自のもの。昔から十三夜は、満月に次いで美しい月といわれ、中秋の名月を「前の月」、十三夜を「後(のち)の月」と呼んだり、2つの月を合わせて「二夜(ふたよ)の月」と呼んだり、とても大切にしてきたようです。
十三夜の準備と楽しみ方
十五夜は、この頃収穫した農作物の代表、里芋をお供えするので「芋名月」と呼ばれています。一方十三夜は無事収穫した栗や豆を供えるので別名「栗名月」「豆名月」といいます。
お月見といえば、お月見団子。団子を供える習慣は、江戸時代からと始まったといわれており、お月見の時に「これからの収穫」を祈るという事で収穫物である米の団子を用意したのが、月見団子の由来なんだとか。
お月見といえば、お月見団子。団子を供える習慣は、江戸時代からと始まったといわれており、お月見の時に「これからの収穫」を祈るという事で収穫物である米の団子を用意したのが、月見団子の由来なんだとか。
十五夜には、十五にちなんで15個。または、1年の満月の数にあわせて12個(閏年には13個)、15を簡略して5個にする場合もあるようです。十三夜のお月見団子は、13個または3個を用意します。
「片見月」は縁起が悪いの?
「片見月」という言葉は、吉原の遊女が発端をされ、中秋の名月を吉原で過ごしたら、「片見月を避けるために十三夜の月も吉原に出向かないといけない」という客寄せの一環として生まれたともいわれています(笑)
旧暦の9月13日は新暦だと、今年は11月1日。気候的には台風の多い8月よりも秋晴れが多く、清々しい日が続きます。「十三夜に曇りなし」ともいわれるように、お月見にはよい時期なのです。十五夜だけでなく、十三夜のお月見もぜひ楽しんでくださいね。
中秋の名月は観月会といって、お月さまを鑑賞する会が各地で催されます。いくつかピックアップしてみたので、参加してみるのはいかがでしょうか?
19:00~21:00(最終入場は30分前)
東京スカイツリー天望デッキ フロア350
18:30~20:30
10月3日(火)~10月5日(木)
9:00~21:00(最終入園は20時30分)
三渓園
10月4日(水)~9日(月・祝)
こちらは京都の下鴨神社での観月会(名月管絃祭)の様子。たまたま京都へでかけた時に、その日の夕方に観月会があることを知り、新幹線の時間が差し迫っているなか、参加したときの写真です。
京都ではたくさんの場所で観月会が催されます。
京都の月見会
もし京都へ行くことがあれば、ぜひ月会に行ってみてはいかがでしょう。お茶席を設けているところも多く、風情溢れる中秋の名月を楽しむことができると思います。
今年は十五夜だけでなく、十三夜にも夜空に浮かぶお月さまを見ることができるといいですね。これから満ちていくという未完のもの、不完全なものに、無情や侘びの心を感じる日本人の感性。毎日を何かに追われているように過ごしてしまいがちな現代のわたしたちですが、完全でないものにも美しさを見出し、大切にする感性を忘れてしまいたくないと思います。